宅墓のメリットとデメリット【僧侶からみると・・・】

ゆうこさん
先日
テレビで宅墓というのがとりあげられていて
すごい好評でした。
私もすごくいいなと思ったんですが
お坊さんとしてはどうなんですか?
三休
手元供養の方法としては丁寧ですが
お骨の問題は先送りになってしまいます。

最近はメディアでも取り上げられている
宅墓(たくぼ・たくはか)

この宅墓のメリットやデメリットを僧侶目線で紹介します。

宅墓のメリットは一つしかない

メリットは

やった感がある

という事につきます。

今後絶家が決まっていて
お墓を持つという選択肢がない場合
お骨を仏壇に安置して
手元供養を続けるという選択を選ぶ方が多いので
そういった方にとっては

宅墓という選択肢は
ひとつの心の救いになると思います。

ただし
問題はすべて先送りになっているので
僧侶からすると
合同墓地や
期限付き墓地で永代供養してしまったほうが
あとあとの事を考えると良いのではないかな
と思います。

一つ例外があるとすれば

ペット用の宅墓です。

日本人は昔からそうですが
今は特に
ペットは家族であるという気分が強く
お墓に一緒に入りたいいうくらいの方もいるほどです。

そんな中
ペットの為のお墓を作ってあげたいという
方にとっては良い方法かと思います。

宅墓のデメリット

デメリットは大まかに2つあります。

一つはお骨の行き先は結局決まっていないということ

もう一つは
お墓の役割が果たせないということ

お骨の行き先は決まっていない

お骨は勝手に廃棄できないものです。
死体遺棄(刑法第190条)になります。

ですから
最終的に
埋葬をする必要があります。

宅墓に納骨したとしても

宅墓をつくった施主が亡くなって
あとに残された遺族は
宅墓内のお骨を埋葬しないといけません。

つまり
お骨の埋葬という問題を先送りしているだけという事です

お墓の役割が果たされていない

故人を偲ぶのはなにも
宅墓の施主だけではないかもしれません。

生前お世話になった人や
会社関係
趣味関係の友人たちが
気軽に供養のために足を運べるのが
お墓の役割です。

宅墓にお参りに行くのは
故人の仏壇にお参りにいくのと何も変わらないので
そういった親族以外の人が手をあわせる場所にはなりません。

であれば
個別のお墓でなくとも
合同墓地や期限付き墓地などといった
明確にここに行けばあの人に会えるね
という場所がある方がいいかもしれません。

まだ海洋散骨や宇宙散骨といった
エキセントリックな方法の方がいいかもしれません。

海や空に向かい手をあわせられますから。

三休
すいません
僧侶目線からみるとすこし
否定的な意見になってしまったかもしれません。

ぜひ
宅墓の提供者様の意見も聞いてみたいので
コメントなどいただければ幸いです。